重要なポイント:
- 大型のダイレクト・レンディング(銀行を介さずに機関投資家やファンドが企業に直接融資する仕組み)需要が増加し続けており、これはプライベート・クレジットが持つ不変の性質を浮き彫りにしている。借り手企業はオーダーメイドのソリューションと多様な資金調達源を求めており、大企業に第一順位の優先担保付融資を魅力的な利回りで実行する機会が拡大し続けている。
- 米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和へと方針を転換したものの、相対的に高金利の状態が長期化すると予想する。持続的な高金利環境は、変動金利商品が多いダイレクト・レンディング投資の魅力をさらに高める可能性がある。また、プライベート(非上場)クレジットのスプレッドは依然としてパブリック(上場)クレジットを上回っており、この状況は当面継続する見通しである。
- ランプ次期政権*の下で規制緩和の可能性があることを踏まえると、案件が増加し、借り手に対するプライベート資本の提供機会が一層拡大する可能性が あ る。 *本稿執筆は2024年12月。
- パブリック市場の回復が進んでいるが、プライベート市場も成長しており、両者は共存しつつ成長を続けると見ている。いずれか一方を選ぶ話ではない。むしろ、そのオーダーメイド性、スピード、執行の確実性といった主な利点により、プライベート・クレジットは大規模な借り手企業にとって資金調達手段の不可欠な選択肢となってきた。
- 我々は、プライベート・クレジット市場がパブリック・クレジット市場よりも本質的にリスクが高いとは考えていない。プライベート取引は一般的に相対で交渉されるため、貸し手はより強固な法的・契約上の保護を確保できる。